宇和島の練り製品に絶対に欠かすことの出来ないのが、この頭落しという工程です。この工程を無くしてしまうと、もはや宇和島のじゃこ天ではなくなると云っても過言ではありません。非常に重要な工程です。手早く、丁寧に、魚の頭を落とします。どんなに小さな魚でも、一匹一匹頭を落とします。
上記の魚は「ほたるじゃこ」と呼ばれ大変美味です。主に宇和海で水揚げされ、あまり知られておりません。地元では「はらんぼ」と呼ばれています。
魚の頭を落としてウロコと内臓がきれいに取り除けるまで洗います。その後よく冷却し、ミンチをかけます。じゃこ天に使う魚の「ほたるじゃこ」はスズキ科の魚です。じゃこ天では、この魚の皮と骨もミンチにかけるのでねずみ色になって身が出てきます。ですからカルシウムが豊富で、とってもヘルシーです。
ほたるじゃこをミンチにかけた後の魚肉です。
ミンチをかけた魚を石臼で練っていきます。石臼で練ることにより、きめの細かい上質な身に仕上がります。また、安岡のじゃこ天は冷凍すり身に依存せず、生の魚を100%使用しますので、長年の経験と豊富な知識が必要な重要な工程です。
今度は、すり身を成形していきます。木製の型枠にすり身を入れて、手の押した後が残るようにすることがコツです。重さは手の感触でわかります。薄すぎず厚すぎず、一枚一枚手早く丁寧に成形することが重要です。この型枠も手造りなのですよ。
当社商品「宇和島名産 手造りじゃこ天」は、平成19年11月「愛」あるブランドとして認定されました。
最後に成形したすり身を油で揚げます。油で揚げていくと次第に膨らんでいきます。揚げたてはもちろんおいしいですがじゃこ天は冷めてもおいしいですよ。こうして出来た安岡のじゃこ天は全国蒲鉾品評会において栄誉大賞を受賞いたしました。また、「宇和島名産 手造りじゃこ天」は、えひめ愛フード推進機構による「愛」あるブランド産品として認定されています。